下痢<em>(50代・60代・高齢者の長引く下痢)</em>

下痢(50代・60代・高齢者の長引く下痢) diarrhea

下痢(水下痢)で
お悩みの方へ

下痢(水下痢)でお悩みの方へ

正常な便は60~70%が水分で、形は固形、通常は円筒形です。一方、下痢便は75%以上が水分で、特に急性下痢の場合は水分が90%以上にも及びます。液状または半液状であり、腹部をキューっと絞られるような痛みを伴うこともあります。

下痢は多くの場合、日常生活における要因、例えば体の冷えや暴飲暴食などが原因で起こりますので、多くの方が経験されていることでしょう。水のような下痢(水下痢)であっても、1回だけの場合や3日以内に症状が治まる場合は問題ありません。

しかし、水下痢が1週間以上続いたり、頻繁に起こる水下痢が日常生活に支障をきたしたり、水下痢と便秘を交互に繰り返したり、吐き気を伴ったりする場合は、疾患による下痢の可能性があるため受診をお勧めします。お気軽に当院へご相談ください。

下痢の原因

元気なのに下痢が続く場合

体に不調は感じていないのに下痢が続く場合は、次のような原因が考えられます。

食物アレルギー

特定の食物に対するアレルギーが原因で下痢になることがあります。

食物アレルギーとは、免疫システムが特定の食物に含まれるタンパク質を有害と誤認し、過剰に反応してしまう疾患です。一般的な食物アレルギーには、乳製品、小麦(グルテン)、卵、ナッツ、魚介類、大豆に対するアレルギーなどがあります。

腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランス異常

腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、消化吸収機能の低下や病原菌の繁殖、腸壁のバリア機能の低下などにより下痢を引き起こすことがあります。

ストレスや不安

ストレスや不安は胃や腸の運動や分泌に障害をもたらし、下痢の発生に繋がります。

炎症性腸疾患

下痢は潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が原因で起こることもあります。

これらの疾患はともに難病に指定されており、症状が現れる時期(活動期)と症状が落ち着く時期(寛解期)を繰り返します。また、がんのリスクも高めてしまうため、正確な診断と高度な専門治療を必要とする疾患です。

薬の副作用

一部の薬やサプリメントには、下痢を伴う副作用があります。

下痢を誘発する可能性がある薬には、抗生物質(例:アモキシシリン、クラリスロマイシン)、非ステロイド性抗炎症薬(例:イブプロフェン、アスピリン)、マグネシウムを含む制酸薬(例:水酸化マグネシウム)、化学療法薬(例: シスプラチン、フルオロウラシル)、抗不整脈薬(ジゴキシンなど)、糖尿病治療薬(メトホルミンなど)などがあります。

嘔吐と下痢が見られる場合

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌の感染によって胃や腸に炎症が起こり、嘔吐や下痢などの症状を伴うものです。主にノロウイルス、サルモネラ、大腸菌などの感染によって起こります。

激しい下痢が起こりやすく、これに発熱や嘔吐を伴う場合は脱水症状を起こしやすいため注意が必要です。水分が十分に摂れない場合は点滴治療が必要となりますので、お早めに当院へ受診してください。

食中毒

食中毒とは、食品に含まれている細菌やウイルス、寄生虫、毒素を摂取することで発症する疾患です。発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れます。

腸管出血性大腸菌感染症

腸管出血性大腸菌感染症は、大腸菌の特定の菌株による感染症で、嘔吐、下痢、腹痛、血便、発熱などを引き起こす疾患です。

この病原体は毒素(シガ毒素)を産生し、激しい下痢を引き起こします。O-157が最も一般的ですが、この他にも様々な菌株があります。

胆道炎

胆管炎は胆のうや胆管に炎症が起こる疾患で、胆石が胆管を塞いだり細菌に感染したりすることが原因で起こります。

症状は嘔吐、下痢、黄疸、右上腹部痛などです。胆管の炎症により胆汁の排出が困難になると、脂肪の分解・吸収が不十分となり下痢が起こります。

胆のう炎

胆のう炎は胆のうに細菌感染が起こる疾患で、胆石による胆のう管の閉塞によって胆汁の流れが妨げられることが主な原因と考えられています。

胆道炎と同様に、嘔吐、下痢、右上腹部痛、発熱などの症状が現れます。

下痢が長く続く原因は、
年代ごとにさまざまです

下痢が長く続く原因は、年代ごとにさまざまです

下痢があっても「一時的な症状だから」と自己判断で放置している方も多いかと思います。患者様の年代によっても長引く下痢の原因は異なり、治療せずに放置すると、下痢がさらに悪化してしまうおそれもあります。

以下に年代別で注意すべき疾患をご説明します。ぜひご活用ください。

20~30代で下痢症状があるときに注意したい病気

過敏性腸症候群

下痢や便秘を慢性的に繰り返し、腹痛や吐き気、腹部膨満感などの不快な症状が見られるものの、大腸内視鏡検査などの検査をしても炎症や潰瘍が見つからない場合に「過敏性腸症候群」と診断されます。

原因としては、ストレスや暴飲暴食、大腸の機能異常などが考えられます。

カンピロバクター腸炎

腸炎の主な原因となる細菌「カンピロバクター」による感染症です。

主な症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱で、まれに血便が出ることもあります。

この細菌は牛、豚、鶏の腸管内に存在し、加熱不十分な食品や調理器具、手指などを介して感染します。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは炎症性の疾患であり、大腸の粘膜に潰瘍ができた状態です。

原因は解明されておらず、主な症状は下痢、腹痛、血便です。疾患が悪化すると、下痢や血便の頻度や量が増えます。

その他、体重減少、貧血、発熱などの症状を伴うこともあります。

クローン病

慢性的な潰瘍や炎症が、口から肛門に至るまでの消化管に起こる疾患です。

症状は小腸や大腸に現れることが多く、主な症状は下痢、腹痛、血便、体重減少、倦怠感などが代表的です。

さらに、合併症として腸管狭窄や関節炎などを伴うこともあります。

40~50代で下痢症状があるときに注意したい病気

更年期の影響

女性の場合、閉経を迎える更年期以降に下痢が起こりやすくなることがあります。

また、自律神経の失調や冷え性などといった更年期症状に伴って、下痢が引き起こされることもあります。さらに、ホルモンの減少により、尿失禁、脂質異常症、骨粗しょう症なども起こりやすくなります。

大腸ポリープ

大腸にできる腫瘍(できもの)を大腸ポリープと言います。

大腸ポリープを放置すると、最初は小さくても徐々に大きくなり、最終的にはがん細胞に変化する可能性があります。

ポリープが小さいうちは、症状がない場合が大半です。しかし、ポリープの大きさや位置によっては、下痢、腹痛、腹部膨満感、血便などの症状が現れることがあります。

大腸がん

初期の大腸がんでは、症状が現れない場合が大半です。

しかし、がんが大きくなり腸管内を狭く圧迫すると、便秘や下痢、血便、残便感、腹痛、貧血、嘔吐などの症状が現れることもあります。

60代以上で下痢症状があるときに注意したい病気

感染症

年齢を重ねるにつれ、免疫機能は次第に弱まり、風邪やインフルエンザ、感染性胃腸炎など、様々な感染症にかかりやすくなる傾向があります。

さらに、下痢に伴って嘔吐、高熱、咳、くしゃみなどの症状が現れることもあります。

薬剤性の下痢

年齢を重ねると、体は様々な衰えを見せ始めます。

慢性疾患をお持ちの方は、定期的に複数の薬を服用されている方も多いでしょう。

下痢の副作用が起こりやすい薬として、例えば、消化管に作用する薬(ミソプロストール、プロトンポンプ阻害薬)、免疫抑制剤、抗がん剤などが挙げられます。

これらの副作用は特に、腎機能や肝機能が低下しているご高齢の方に起こりやすい傾向があります。

糖尿病などの病気

慢性の下痢は、60代以上のご高齢の方の場合、疾患が原因で起こることもあります。

例えば、糖尿病をお持ちのご高齢者の場合、合併症として下痢が生じることもあります。

これは、糖尿病神経障害により消化管の自律神経が障害されやすくなり、消化管運動に異常をきたすことが原因で下痢が起こると考えられています。

下痢が長く続く場合の検査

下痢が長く続く場合の検査

下痢の検査ではまず、問診により便の色調や性状を確認します。また、暴飲暴食や食中毒など、下痢の誘因となるものに心当たりがあるかなどもお聞きします。炎症性腸疾患が疑われる場合には大腸内視鏡検査を行い、大腸粘膜全体を調べ、不審な病変があれば生検を行います。

当院では、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医の資格を持つ専門医が検査にあたっています。豊富な臨床経験と最新の内視鏡システムを駆使し、患者様の負担をできる限り軽減し、迅速かつ正確な検査を丁寧に行っておりますので安心してご相談ください。

下痢(水下痢)を
出し切る方法

下痢(水下痢)を出し切る方法

下痢を出し切って治すには、下痢で失われた水分を経口補水液やスポーツドリンクで補給し、脱水症状を予防することが大切です。また、食事や生活習慣の改善も重要です。

下痢のときは、消化が良く繊維質の少ないバナナ、ご飯、アップルソース、トーストなどのBRAT食(「バナナ(Banana)、ご飯(Rice)、アップルソース(Applesauce)、トースト(Toast)」の頭文字)が回復に良いと言われています。

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