慢性胃炎

慢性胃炎 gastritis

慢性胃炎とは

慢性胃炎とは

慢性胃炎とは、胃の粘膜に起きた炎症が長く続き、慢性的な状態になっている疾患です。この炎症が長く続くことで、胃酸を分泌する働きをもつ腺細胞が徐々に弱って数が減り、元に戻らなくなっていきます。

慢性胃炎になると、胃酸の分泌量が減少していきます。慢性胃炎には様々なタイプがあり、出血やびらんがあるタイプ、そういった変化が見られないタイプ、粘膜が痩せていくタイプ(萎縮性胃炎)、自己免疫の異常によって起こるタイプ(自己免疫性胃炎・A型胃炎)などが知られています。

一般的に「慢性胃炎」と言う場合は、ピロリ菌の感染が原因とされる「萎縮性胃炎」を指していることが多いです。

また、近年では、自己の免疫システムが胃の特定の細胞を誤って攻撃してしまうことで、慢性的な炎症を引き起こす「自己免疫性胃炎」の診断も増えています。このタイプの胃炎は、神経内分泌腫瘍や悪性貧血などの深刻な疾患に繋がるおそれがあるため注意する必要があります。

慢性胃炎の原因

慢性胃炎の原因

慢性胃炎の主な原因は、ピロリ菌の感染であると広く認識されています。

ピロリ菌に起因する慢性胃炎は、胃の入り口近くに位置する「前庭部」から、中央にあたる「胃体部」へと広がる萎縮性の炎症と考えられています。これに対して、自己免疫の異常によって発症するA型胃炎(自己免疫性胃炎)は、「胃体部」にのみ萎縮が見られ、「前庭部」は正常なままである点が特徴です。

自己免疫性胃炎は、免疫機能の誤作動により、胃の特定の細胞が自身の免疫によって攻撃され、結果として慢性的な炎症が起こった状態です。

自己免疫性胃炎になると、体の免疫システムが自身の胃の細胞(特に胃酸を出す細胞)や、ビタミンB12の吸収を助ける「内因子」というタンパク質を攻撃してしまうことがあります。このため、血液中にそれらに対する抗体が見つかることが多く、悪性貧血や神経内分泌腫瘍などの疾患を引き起こす可能性も生じます。

また、痛み止めとしてよく使われる「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」の服用が原因で薬剤性胃炎を発症することもあります。さらに、肝硬変や腎不全などの重い疾患に伴って、慢性胃炎が発症する場合もあります。

慢性胃炎の症状

  • みぞおちの周辺の痛みや不快感
  • 吐き気
  • 胸やけ
  • 胃もたれ
  • 早期満腹感
  • 消化不良
  • 食欲不振

など

慢性胃炎の治療

ピロリ菌による慢性胃炎(B型胃炎)

慢性胃炎の原因がピロリ菌である場合は、ピロリ菌の除菌治療を行います。

除菌治療では、胃酸の分泌を抑える薬を1種類と、抗生物質を2種類、7日間同時に服用します。ピロリ菌の除菌療法のうち、1回目の除菌の成功率は約80%と言われています。1回目の除菌に成功しなかった場合は、2回目の除菌(2次除菌)を行います。これは2種類の抗生物質のうちの1種類を、初回とは別の薬に変えて除菌療法を再度行う方法です。

2回目の除菌の成功率は約90%と言われ、2次除菌では成功するケースがほとんどです。ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを発症するリスク要因となるため、ピロリ菌に感染している場合は除菌治療をお勧めします。

自己免疫性胃炎(A型胃炎)

自己免疫性胃炎には、特定の治療法は確立されていません。そのため、この疾患に併発する可能性がある胃腫瘍を早期に発見するために、定期的に胃内視鏡検査を受ける必要があります。貧血などの症状が現れる場合もあるため、定期的に医師の診察を受けましょう。

A型胃炎とB型胃炎の併発

A型とB型胃炎を同時に併発している場合は、B型胃炎と同様にピロリ菌を除菌する治療を行い、定期的に胃内視鏡検査を受ける必要があります。

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